映画「ファースト・マン」のあらすじ、感想!

映画レビュー

ちょうど半世紀前、全世界に衝撃的なニュースが駆け巡りました。
“アポロ11号、月面着陸に成功”

最近でも、アメリカで有人宇宙船の打ち上げ成功というニュースがあり、
アメリカやロシア、中国、日本などで激しい宇宙開発競争がされていますが、
当時のアメリカとソ連との間での競争はさらに熾烈で、国同士の威信を賭けたまさに”戦い“!

彼を中心として、月という未踏の地に挑む男達とその家族、そしてその愛や絆を
デイミアン・チャゼル監督がどう描くのか…

という感じで映画を見てきましたので、感想を書いていきます!!!

ファースト・マンの基本情報

あらすじ

<1961 愛する娘との別れ >

テストパイロットを務めるニール・アームストロング(ライアン・ゴズリング)は、仕事に集中できずにいた。まだ幼い娘のカレンが、重い病と戦っているのだ。妻のジャネット(クレア・フォイ)と懸命に看病するが、ニールの願いもかなわずカレンは逝ってしまう。いつも感情を表に出さないニールは妻の前でも涙一つ見せなかったが、1人になるとこらえきれずむせび泣く。悲しみから逃れるように、ニールはNASAのジェミニ計画の宇宙飛行士に応募する。

<1962 人類の長年の夢、月旅行へ>

NASAに選ばれたニールは、妻と長男を連れてヒューストンへ引越し、有人宇宙センターでの訓練と講義を受ける。世界の宇宙計画ではソ連が圧勝していたが、そのソ連もまだ到達していない“月”を目指すと指揮官のディーク・ストレイン(カイル・チャンドラー)は宣言する。月への旅に耐えられる宇宙船は重すぎて、たとえ到着しても月から打ち上げられない。宇宙飛行士は母船から小型船に移り着陸、任務終了後に母船とドッキングして地球へと帰る。2機のドッキングができると実証するのがジェミニ計画。成功したら月面に着陸するアポロ計画へと移行することが決まる。

<1964~65 訓練&訓練&訓練・・・>

宇宙空間で活動するための想像を絶するハードな訓練を共にし、飛行士たちは絆を結んでいく。ニールが最初に心を開いたのは、軍人ばかりの飛行士のなかで互いに民間人だったエリオット・シー(パトリック・フュジット)だ。向かいに暮らすエド・ホワイト(ジェイソン・クラーク)とは、家族ぐるみで親しくなった。ある夜、エドの家に集まった時、テレビからソ連が人類初の船外活動に成功したというニュースが流れる。それはエドがもうすぐ成し遂げるはずのミッションで、またしてもソ連に先を越されてしまった。

<1966 死を覗き見したドッキング>

ディークから、ジェミニ8号の船長として史上初のドッキングを命じられるニール。その任務から外されたエリオットが、訓練機の墜落事故で命を落とす。友の無念を胸に、デイヴィッド・スコット(クリストファー・アボット)と2人、ジェミニで飛び立ったニールは、アジェナ目標機とのドッキングに成功するが、ジェミニの回転が止まらなくなる。非常事態に家族への通信も切られ、血相を変えたジャネットがNASAへと駆けつけるが、何とかニールの冷静な判断で危機を脱出、アジェナを切り離して帰還する。その結果、NASAはメディアに人命を危険にさらし、莫大な費用を無駄にしていると書き立てられる。だが、調査委員会はニールの功績を認めてアポロ計画へと移行、パイロットにエドが選ばれる。名誉ある任務に就いたエドを、ニールとデイヴは心から祝福するのだった。

<1967 アポロ計画最大の悲劇>

エドと2人の乗組員が、アポロの内部電源テストを行っていた時、ニールはホワイトハウスのパーティーに出席していた。政治家と話が合わず手持ち無沙汰の彼に、ディークから電話が入る。それは、アポロ内部で火災が発生し、3人全員が死亡したという知らせだった。

<1969 未知とのカウントダウン>

莫大な税金をかけて犠牲ばかりだと、アポロ計画は世間から非難を浴びる。逆風のなか、月に着陸するアポロ11号の船長にニールが任命される。乗組員はバズ・オルドリン(コリー・ストール)、マイク・コリンズ(ルーカス・ハース)の2人だ。出発の日、ジャネットは息子たち黙って行こうとするニールに、「帰れない場合の心構えをさせて」と訴える。無邪気に笑う次男の横で、長男は父に「戻ってこれる?」と尋ねるのだった。家族と別れ、宇宙服に身を包み、3人はついに“未知”へと旅立つ。

(出典元:https://firstman.jp/story.html)

監督

デイミアン・チャゼル

1980年、カナダ生まれ
~主な作品~
 ・『きみに読む物語』(2004)
 ・『ハーフ・ネルソン』(2006)
 ・『ドライブ』(2011)
 ・『ラ・ラ・ランド』(2016)  …アカデミー賞監督賞受賞(史上最年少)

キャスト

ライアン・ゴズリング(ニール・アームストロング)

1980年、カナダ生まれ
~主な作品~
 ・『きみに読む物語』(2004)
 ・『ハーフ・ネルソン』(2006)
 ・『ドライブ』(2011)
 ・『ラ・ラ・ランド』(2016)

クレア・フォイ(ジャネット・アームストロング)

1984年、イギリス生まれ
~主な作品~
 ・『蜘蛛の巣を払う女』(2018)

感想

終始、物語が淡々と進んでいく感じです。良い意味で。
この映画はニールの伝記映画だという点を考えると、余計な脚色をせず、
エンターテイメント性を排除したことは、僕は良かったのかなと思います。
ニールの冷静沈着な人間性も相まって、物語に飽きずにずっと注視してしまう。
そんな映画でした。

愛娘との別れと友人の死

そんなニールですが、どこまで史実に忠実なのか分かりませんが、月面に降り立つまでは
常に”何か”に囚われ、それから逃げるように宇宙、月に没頭するような印象でした。

その”何か“とは、間違いなく”幼い愛娘の死”。

それまでは愛娘のために病気の治療法を探したり、良い医者を探すのに奔走していたのが、
突然その必要が無くなってしまう。娘を亡くした悲しみと同時に、
そのポカンと空いた喪失感を埋めるためにNASAのパイロットを目指し、
新たな”生きる意味”としたかったのではないでしょうか。

また、アポロ1号での火災事故で友人のエドが事故死したことも大きな要因です。
エドは月を目指す同志、そして同じ良き父親としてニールを気に掛けていて、
それをニールも理解していました。そんなエドの突然の死で、
月に行かなければという義務感のようなものがより一層強くなり、
アポロ11号での偉業に繋がっていったのでしょう。

ニールとジャネットのシーンに注目!

映画全編を通して、ニールとジャネット2人きりのシーンは少なかったように思います。
常に子どもや友人がいる、もしくは1人きり。

映画序盤で唯一といって良いのぐらいなのは、自宅でのJAZZを流しながらのダンスシーン。

なんかここら辺の演出がチャゼルっぽいですね(笑)

終盤でも、アポロ11号のために自宅を出発する前夜や、
地球に帰還後のガラス越しのラストシーンなど、
夫婦2人だけのシーンがこの物語の重要なシーンになっているので要注目です!

月面着陸~ラスト

月面に降り立ったニールは、あの有名な言葉を残します。

That’s one small step for a man, one giant leap for mankind.”
(人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては大きな一歩である)

そしてその後に、愛娘の遺品をクレーターの底にそっと投げ入れます。

僕が思うに、上の言葉はニール自身にも言い聞かせている言葉なのではないでしょうか?
そう言ってから遺品を月に置いてくることで、娘の死を受け入れて次に進もうとしている。
そしてあのガラス越しのジャネットとのラストシーンに繋がるのかなと思います。

拘り抜いた映像美!

物語を通じた緊張感や登場人物の心の陰をうまく表現している要因の1つが
ノスタルジックな撮影手法です。16ミリフィルムで撮影されており、
当時の質感を残してよりリアリティある映像に仕上がっています。

一方で月面のシーンはIMAXフィルムが使われ、よりクリアで近未来的な映像になっており、
現実感を排除しています。ただ、宇宙船内などは安易にCGを多用せず
セットやミニチュアを用いた撮影手法を採用しており、
月面着陸を成功させようとするクルーの執念や想いが、
デジタル感を入れすぎないことで反映されているように思えます。

映画全体を通して撮影手法の「妙」が見て取れますので、ぜひご覧ください!

まとめ

原作が伝記ということで、ある程度史実に基づいて一本調子な展開になるかと思いましたが、
飽きずに物語に引き込まれたのは演出・撮影手法が見事という他ありません。

実際にアカデミー賞視覚効果賞も受賞しましたし。

決して明るい映画ではないですが、だれもが知っているアポロ11号。
その成功までの道程と、関係する人々の想いがうまく表現されている1本です!